『骨』の大まかな役割や概要は、解剖学の基礎知識にてご参照ください。
この記事では、さらに細かな骨の仕組みについて記述しておりますので
興味のある方はぜひ、ご参照ください。
骨の主成分
骨の主成分は主に2つ。
コラーゲン
コラーゲンの主成分はタンパク質である
コラーゲンは骨をしなやかにそして頑丈に強化する役割がある。
ビルやマンションの構造に例えるとコラーゲンは
を担っており、衝撃を緩和する重要な役割を持つ。
※もし骨にコラーゲンが無かったら、衝撃を緩和できず骨折するリスクが高まるかもしれませんね・・
ハイドロキシアパタイト
ハイドロキシアパタイトは
であり、骨に硬さを与える物である。
人間の骨は骨密度が高ければ高いほど強固になり、簡単には折れないように作られる。
ハイドロキシアパタイトは、ビルやマンションに例えると
を担っており、外部の衝撃から内側の組織を守っている。
コラーゲンとハイドロキシアパタイトの構成比は
1対1である(どちらも欠かせない成分)
骨代謝(リモデリング)
骨では「骨をこわす細胞」と「骨をつくる細胞」が働いている。
- 骨をこわす細胞を「破骨細胞」
- 骨をつくる細胞を「骨芽細胞」
このふたつの細胞の働きで骨は生まれ変わる。
新陳代謝の流れ
- 破骨細胞が酸や酵素で古い骨をこわします(骨吸収)
- 骨芽細胞がコラーゲンを生成
- 腸で吸収されたカルシウムが付着
- 新しい骨が作られる(骨形成)
骨吸収と骨形成のサイクルは 3~4ヶ月で完了する
骨は大人になっても日々生まれ変わっています。
また、海綿骨は骨代謝の速度が速いため
※この新陳代謝のバランスが崩れると『骨粗鬆症』などの原因に!
骨に必要な栄養素
カルシウム
カルシウムはリンと結びつくことで骨の主成分であるハイドロキシアパタイトを生成します。
また人体のカルシウムは
- 99%が骨の中に貯蔵
- 1%が血中内に流れている
※血中のカルシウム濃度が極端に低かったり、高かったりすると最悪の場合、死に至るケースもある。
血液中のカルシウム濃度が減少すると、破骨細胞が活性化し骨に貯蔵されたカルシウムを分解し放出(骨吸収)
血液中にカルシウム濃度が高まると、骨に貯蔵する働きが活性化(骨吸収)
ビタミンD
ビタミンDの役割は
食事が摂取する方法はもちろん
日光を浴びることで皮膚がビタミンDを生成することも可能である。
ビタミンDが少なくなると、カルシウムの吸収力が弱まると・・
- 腸からカルシウムを吸収できない
- 血中のカルシウム濃度が減る
- 骨に貯蔵されたカルシウムを分解する(骨吸収・破骨細胞の活性化)
- 骨のカルシウム量が下がる(骨密度低下)
- 骨粗鬆症になってしまう
と言うような状態になってしまう危険性があります。
タンパク質
主にコラーゲンの主成分であり、カルシウム同様に外部からの摂取が必要となる。
分解するとアミノ酸になり、血中のアミノ酸濃度が低くなると
筋肉を分解し(筋分解)アミノ酸を体内で生成することができる。
基本的には筋分解を起こさないように
食事やプロテインでタンパク質を摂取することが望ましい。
骨量の変化
骨量は生まれてから20歳前後に最大になる。(ピークボーンマス(最大骨量))
また、小中高と運動を定期的に行った学生ほど骨量が多い傾向がある。
その後40歳前後までは高い骨量を維持し続ける(個人差あり)
増加要因
骨量の増加は主に成長ホルモンの働きによって起こる。
また
- 男性はアンドロゲン
- 女性はエストロゲン
と言うホルモンが骨量の増加に大きく寄与する。
※男性に比較すると女性の骨量の増加、および最大骨量は少ない傾向にある
減少要因
減少の主な要因としては
- 加齢によるホルモン分泌量の低下
- 活動量低下による骨に対しての力学的ストレスの低下
特に女性は閉経後、エストロゲンの分泌が著しく低下する。
個人差はあるが、それをきっかけに骨粗鬆症のリスクが極端に増加する可能性がある。
骨を強化するためには・・
栄養素
カルシウム・タンパク質・ビタミンD
骨に必要な栄養素でも 記述したように骨の生成に必要なのは 主にこの3つ。
力学的ストレス
トレーニングや運動で骨を刺激する
スクワットやランニングなど 骨に刺激を与えられるような種目を 選択するのが良い。